藤村哲哉氏 映画業界の元風雲児
藤村哲哉氏
ギャガ・コミュニケーション創業者、元社長
1954年生まれ

ギャガという会社は、今となっては、単なるUSENの子会社になってしまったが、もともとは偉大な会社だった。日本の映画配給業界に残した功績は大きい。
脱サラした藤村氏が1980年代に創業したギャガは、「版権ビジネス」の先駆けであった。B級、C級よりさらに質が悪い映画(Z級と呼ばれた)のビデオ化権を海外で買いまくり、レンタルビデオ屋に流して大儲けした。
その後に進出した洋画配給事業(こんどはA級作品も扱った)では、「どんな作品が日本でヒットする確率が高いか」ということを予測するためのデータベースを構築した。業界の職人たちの勘に頼るのでなく、あくまでデータに基づいて買い付けるスタイルだ。
いずれも、映画業界未経験だった藤村氏と、藤村氏が雇った側近たちが確立したビジネスモデルである。藤村氏はベンチャー起業家であるが、脂ぎったところがなく、常に「落ち着いた大人」であった。映画ビジネスのリスクを常に警戒する思慮深さも持っていた。このため、優秀な人間が多く集まり、ギャガを日本屈指の配給会社に押し上げたのである。
しかし、その後、脇が甘くなったのが、2004年前後に巨費を投じた大作の配給が相次いで失敗し、経営責任をとってギャガを退任した。上場を果たし、成功が続いていたため、油断しだのだろう。